耳鼻咽喉科・アレルギー科・気管食道科 医療法人社団くまいクリニック
慢性中耳炎について
今回は慢性中耳炎についてお話します。長い間耳だれが出たり止ったりを繰り返すうちに鼓膜に穴が開いて閉じなくなったのを慢性中耳炎といいます。昔は耳鼻咽喉科の専門医も少なかったので、子供の頃に急性の中耳炎を繰り返し、そのまま慢性中耳炎になってしまった中高年の方がたが多くいらっしゃいます。最近は、前回お話しした浸出性中耳炎を長く放置して鼓膜に穴が開き、そのままになってしまった方もいます。慢性の中耳炎には、耳だれが繰り返し出ている慢性化膿性中耳炎と、鼓膜や皮膚が中耳腔内に入っていき、どんどん大きくなり、感染を伴い周囲の骨を壊してしまう真珠腫性中耳炎があります。どちらも体調の悪い時には耳だれが増強し「うっとおしい」と訴える方が多くいらっしゃいます。炎症がひどくなると、めまいや顔面神経麻痺、内耳炎による聴力低下などが現われます。中耳炎が周囲の乳様突起や錐体に炎症が及んだり、髄膜炎や脳炎、脳膿瘍などの重篤な合併症を引き起こすので、長い間放置しないようにしましょう。慢性化したものは急性のものとは異なり、すぐには治らないので根気よい定期的な治療が必要になります。慢性化膿性中耳炎の治療は、まず最初に耳だれを止めることにあります。長年出ている耳だれにはやっかいな細菌が付いていることがあります。何とか耳だれを止めてから、鼓膜に開いた穴(鼓膜穿孔)を閉じたり、もっと奥の病変を手術的に清掃することがあります。聞こえや味覚などを保存しながら耳だれが止ることを目的とするので、手術は簡単ではありません。また、真珠腫性中耳炎の治療の基本は慢性化膿性中耳炎と似ていますが、真珠腫(皮の塊)が耳の中に残っていると、だんだん大きくなり周囲の骨を壊すので、お子様でも積極的に手術をした方が良いようです。いろいろな神経を障害することなく、完全に真珠腫を取り出すのが困難な時は、期間をおいて(6ヵ月から1年後)再手術をすることがあります。その時の真珠腫は、乳白色の真珠玉のようになっており、摘出しやすいことが多いようです。どちらも最終的には手術治療が必要になることが多いので、耳だれが出た時は、痛くも痒くもなくても我慢せずに早めに私ども耳鼻咽喉科専門医への受診をお勧めします。
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