2010-02-11 09:27:42
慢性中耳炎
カテゴリ:
コラム
慢性中耳炎
鼓膜に穴が開いていて、耳だれが出ている状態を慢性中耳炎といいます。特に皮膚が中耳腔内に入り込み、周囲の骨を壊すのを真珠腫性中耳炎といいます。多くは幼小児期に急性中耳炎を繰り返した結果です。最近、難治性の中耳炎が増えていて、(1)原因菌は鼻や咽喉の炎症を起こす菌と大体同じで、抗生物質に抵抗する耐性肺炎球菌、インフルエンザ菌、結核菌、緑膿菌、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)などです。(2)アレルギーや免疫不全があると好酸球性中耳炎や肉芽性中耳炎を起こし、全身的な治療が必要です。(3)中耳の発育不全、耳管の機能不全、口蓋裂などの構造異常が原因で中耳炎を繰り返すこともあります。中耳ファイバースコープなどを用いて、耳鼻咽喉を詳細に診察し、耳だれの細菌検査などから診断した後、適切な抗生物質を選択し、耳局所の処置や鼻・のどの治療をこまめに繰り返さなければいけません。耳だれが止まれば、聴力改善の手術も可能です。慢性中耳炎にならない為には、繰り返す急性中耳炎の原因を見つけて総合的な治療をする事が必要です。