耳鼻咽喉科・アレルギー科・気管食道科 医療法人社団くまいクリニック
耳が痛い話 その3
耳痛といえば急性の中耳炎が一番有名でしょう。今回は、最近患者さんが多いように感じる急性中耳炎のお話をします。急性の中耳炎を分類すると、細菌感染による急性化膿性中耳炎が最も多く、ウイルス性中耳炎、壊死性中耳炎などもあります。一般的な症状は、風邪などをひいていて急に耳が痛くなり、高い熱がでることが多いようです。子供では2-3時間で中耳腔(鼓膜の奥の空間)内の急性変化が起こるので油断ができません。耳痛は、中耳腔粘膜が細菌やウイルスの感染で発赤腫脹し、中耳腔とのど(上咽頭)をつないでいる耳管が詰まり、中耳腔内の圧力が急に上昇するために起こります。炎症が進むと膿が中耳腔内に貯まりさらに内圧を高めるので痛みや熱はピークに達します。鼓膜を外から観察すると、最初は赤いだけですが、次第に鼓膜が外側に薄くなって膨らんできます。膿汁が貯まると赤い中に膿汁の黄白色が見えるようになります。さらに進むと、パンパンに腫れた鼓膜が自然に破れ膿が耳だれとなって外に出ます。すると、痛みがウソのように軽減されます。これは、炎症は依然残っていますが、中耳腔内圧が軽減するためです。そこで耳痛がひどい時や熱が下がらない時に、私共耳鼻咽喉科医が鼓膜に小さな穴をあける治療(鼓膜切開)をすることがあります。できるだけ痛みを軽くするために鼓膜の麻酔をしてから鼓膜切開をしますが、中耳腔内の炎症がひどいと麻酔も効きずらいことがあります。鼓膜を切開する時には痛みがあるので、「中耳炎で痛がっている我が子にさらに痛みを加えるとは何事だ!」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、痛みをとり、治すための治療手段なのでご理解ください。急性中耳炎はお子さんに多い病気ですが、大人の方でもかかる方がいらっしゃいます。適切な治療をしないと、聞こえが悪くなる慢性中耳炎に移行したり、さらに炎症が悪化すると急性の乳突洞炎(耳の骨の炎症)や髄膜炎を併発し、緊急手術が必要になることもあります。手遅れになると、かえって長引いたり、先ほど述べたような合併症を起こす可能性がぐんと増えますので、風邪をひいたり、耳が変だったり、耳が痛い時には、ひどくなる前に、私ども耳鼻咽喉科専門医の診察治療を受けるようにしてください。
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